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AIG

Projects

HERE WE INTRODUCE THE PROJECTS WE HAVE DONE.
ALL PROJECTS ARE MADE OF IDEAS AND THOUGHTS THAT
EMBODY OUR PHILOSOPHY “IMAGINEERING”.

まるちよ歯科医院

片持ち兼用の鉄骨ブレース
  • STEEL STEEL

over view & Goal

北海道の東側の北見市という冬は-15℃夏には25℃になる温度差40℃の過酷な大地で作った少し大きい歯科クリニックです。建築家の遠藤謙一良さんと最初に話していたのは、「北海道の中でも極地のため、誰でも作れるようなシンプルなSteel造がいいのではないか」、「中規模建築だけどポスト&ビームによるいかにもなSteel造は避けたいね」などと話していました。 北海道で建築を造る場合、積雪荷重が大きなテーマとなりますが、北見市は札幌の70%程度の1.0mと対峙すればよく、北海道でよく仕事しているAIGからするとだいぶ楽な値で210kg/m2となります。 今回AIGが立てたテーマは、①中規模建築の構造計画を小規模なものと同じ考え方の構造計画で実施する。②長手に梁を架けるという非常識に挑んで表れる空間を楽しむ。③ブレーシングではなく、トラスを主体とした対震計画とする。以上のようなテーマに対して、このプロジェクトのゴールはそれを一緒に楽しんで施工してくれるファブがいるかどうかがキーでした。Steel造の出来はいくらテーマが良くても、設計者は作れないので、信頼出来るファブと出会えるかが主要となる。今回は地元のゼネコンが紹介してくれた、(株)蓮井鉄工所の蓮井さんの存在が大きい。最初に会った時から、この建物は何か普通ではないと感じていたようで、質問攻めに会い、次回からのSteel打ち合わせは、毎回泊まりで価値観からディティールまでを縦横無尽に話し合った結果、最後には設計者から何かを言わなくても自分たちの考えやアイデアで計画を進められるようになっていて、建物が何か1人の子供が成長していくようで、見ていて嬉しい建物となりました。

Idea

構造計画/設計のテーマに即して、AIGのアイデアを挙げると、 ①対震要素は北海道特有の寒暖環境に対抗するため、外周は壁となる部分に集中的にトラスを配置し、内部の鉛直のみ支持する柱は存在感を希薄にし、プランに自由度を与える。AIGではこのような小規模で行うような構造計画を中規模の建物でも実施することを楽しんでいます。 ②一般的な構造計画では、4角のグリッドに大梁を掛けて交点に柱を落とす計画となりますが、今回の建物では採用せず、長辺方向に梁を架けて非常識とも言えそうな梁のレイアウトとし、断面にヒエラルキーをつけて適切に支持柱を配置して応力をコントロールできる計画とする。 ③対震計画のトラスをそのまま延長して片持ち用の1層分のトラスとする計画とし、普通の片持ちを3.8mの梁せいで支持する安定した構造とする。 以上のような構造的なアイデアをカタチにした建物ですが、Steel造の出来はクライアントの思いがスタートで設計者のクセや取り組み方、施工者の熱意の順番でよい建物となりますが、設計者は作り方を考えられても、溶接したり、製作することはできない。そのため、施工者の熱意がとても重要となります。今回の建物については蓮井さんという強い仲間がチームにプラスされることでよい建物を作ることができました。設計という所作は、机に向かって1人で行うものではなく、実はいろんな場面でチームを作り、対話、雑談し想いと熱意を共有するから始まるのではないかと思いながらも、今日も机と向かい合っています(曽根 卓也)

data

所在地
北海道北見市
用途
クリニック
プロジェクト期間(開始)
2015.05
プロジェクト期間(竣工)
2016.02
規模
地上2階

Credit

クライアント
医療法人社団縁会 まるちよ歯科医院
建築設計
株式会社遠藤建築アトリエ
立役者(外部)
株式会社蓮井鉄工所(Steel工事)
立役者(AIG)
安藤 耕作
写真家
KEN五島