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連続コラム「ブラックボックスを超えて」について 

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僕は名刺に勝手に、「建築構造家」と肩書きを記載していますが、構造設計って、そもそも何をやっている仕事なのかよく分からないというのが一般的な考え方であると思います。でも、一緒に仕事をしている人たちのお陰で安藤が面白いことを考えていて、どうやら建築において根本的に物事を変えて行く可能性を秘めている。ということは漠然と皆さんは理解してくれていると僕は勝手に思っています。その理解をもう一歩進めるべく、コラムという形で、定点的に安藤が現時点で面白いと考えていることや構造デザインを取り巻く因子を勝手に話して、構造設計に少し興味を持ってもらえればと思っています。 

 僕は今、構造設計事務所を始めて4年目で、業界の中に事務所のみんなと船出をしたばっかりなのですが、色んな人たちと交わってみて、どうやら僕の事務所のアプローチは独特なようで、それは僕が変だからなのか、事務所のみんながオモロイからなのかは、わからないのですが、僕が常日頃から、「動物園みたいな事務所にしたい」って言っていることが規模は小さいながら実践出来ているのではと自画自賛しています。動物園って、おもしろくないですか?個々のキャラクターが際立っていて、その1つでもお客さんを呼べるけど、全体でも動物園としても楽しめる。まさにそんな味のあるキャラが際立った集団を創っていきたいと思っています。 

そんな園長?客寄せパンダ?である安藤が現時点で一所懸命に取り組んでいる構造デザイン近傍にあるおもしろさを伝えるべく連続コラムとして、日々感じていることや考えていることをまとめてみます。 

 タイトルの「ブラックボックスを超えて」なのですが、工学って専門的な領域を多分に含んでいるので、ブラックボックス化しているなどとよく言われていて、専門家以外の人間から見るとプロセスが見えにくいのが現状だと思います。でも実は実施している僕らもブラックボックスに巻き込まれているのが現状で、それらの危機感からか、僕らの師匠筋にあたる構造デザインという言葉を生み出した張本人である渡辺邦夫さんの名著「飛躍する構造デザイン」の中で、「ブラックボックスからの脱却」という伝説的なコラムがあり、渡辺邦夫さんへの尊敬を込めて、まだまだ足元にも及びませんが、勝手にこのタイトルと付けさせてもらいました。 

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