狛江メディカルビルディング
- Year
- 2022
- Place
- 東京都狛江市
- Texture
- STEEL
HERE WE INTRODUCE THE PROJECTS WE HAVE DONE.
ALL PROJECTS ARE MADE OF IDEAS AND THOUGHTS THAT
EMBODY OUR PHILOSOPHY “IMAGINEERING”.
浅草寺雷門前の並木通りの中央分離帯に作った植栽用のオブジェです。計画地は東京オリンピックのマラソンコースであり、観光客に浅草を感じてもらうための「おもてなしの庭」プロジェクトの一環で、青山フラワーマーケットを手掛けているparkERsさんと協働して取り組みました。デザインのモチーフはアサガオの5枚の花びらで、5角形の平面に竹カゴ編みの5面体を巻き付けて、夏にはアサガオのタワーとなることをテーマとしており、ステンレス部材で合計8個作りました。このオブジェは床がないため建築基準法には該当しないのですが、風で倒れて道路交通の妨げになるようなことがないように、工作物と同等以上の風荷重で設計しています。建物とも言えないようなこの構造物を一緒に楽しんで作れるのは、安藤が修行時代にいくつか設計を担当した草間彌生先生の屋外オブジェで協働している株式会社田中工務店(和光市)しかいないと考え、協働することにしました。 今回の構造計画/設計では①アサガオの花の開く角度に合わせて全体がねじれる立体トラス構造、②複雑に見える架構のシンプルな製作方法、を意識して設計を行いました。
①柱脚1090φ、柱頭3060φの円錐柱を3段の水平部材のHoopで拘束して立体トラス構造としています。各水平Hoopは5角形の平面の対角近傍を2本ずつのストラットで拘束して安定した形態を各段で31度ずつ回転させた平面として、節点のズレを利用し、立面方向にもトラスを構成しています。曲がっている水平部材に、3方向から角度の違う部材が取り付く設計です。 ②製作の際は鉄骨ファブ(株式会社大牧工業所)と部材の長さや取り付きについて何度も協議し、節点のジオメトリ図を元に作成した模型でシミュレーションを行いました。角度が複雑なことから接合はボルト接合としたため、組み立てがより難しくなりましたが、大牧工業の大牧さんとは前述の屋外オブジェ等で数々の協働を経ているので、チームで試行錯誤と改善をスムーズに繰り返し、最後までやり遂げることができました。 ストリートオブジェは形自体に意味があり、空間を作る建物とはまた違った面白さがあります。それを効率良く作ることは構造デザインの一つの側面でもあり、面白い物ができたと感じています(井出 ひろか)